落ち葉は樹木のごちそう

落ち葉があふれる

根が吸収する栄養素

年配の人と会話をすると、この季節、決まって「落ち葉の掃除が大変だ」となる。ところが、子供にとっては、落ち葉が集まるところはふわふわで楽しい。カサカサと落ち葉のベッドを蹴りながら進む、という経験をした人も多いのではないだろうか。

木にとっても落ち葉は嬉しい。落ち葉はやがて分解され、根から吸収する栄養となるからだ。公園では、落ち葉を掃いてしまうことが多く、そこは、土が固くなり、根は栄養を集めにくくなる。根が集める栄養は、窒素(N),リン(P),カリウム(K)にはじまり、カルシウム(Ca),硫黄(S),マグネシウム(Mg),鉄(Fe)のほか、5つの微量元素がある。

落ち葉が咲かす沢山の花

様々な生理に関与

上の写真は、今年のサザンカの様子。沢山の花を付けている。土の栄養素がなければ、花は咲かないし、実もつけない。ご存知のように光合成で木に貯められる栄養素は、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から合成する炭素(C)と酸素(O)と水素(H)だ。木材の乾燥重量の半分は炭素なので、光合成で集める炭素(C)は大変重要なのだが、それだけでは樹木は活動出来ない。何より光合成自体が出来ない。

光合成をするには、水素(H),窒素(N),リン(P)が目まぐるしくくっ付いたり、離れたりしてデンプンがつくられるのだ。光合成をする葉の成分、クロロフィルにはマグネシウム(Mg)が含まれている。呼吸、気孔の開閉、出葉、落葉、開花、結実、落果、防御機構、傷の修復など、根から吸収される栄養素はあらゆる生理活動に関与している。

元気だから葉を落とせる

コナラの落ち葉

今年、コナラの落ち葉が見られて心底ほっとした。カシノナガキクイムシに穿孔されていたからだ。被害の様子はこちら

今年は近所のあちこちでコナラが枯れ、落葉しないまま立枯れている。だから、落ち葉が積もって本当に嬉しい。また、濡れて、分解され土に還ることに期待が膨らむ。

エンジンブロア

ブロアがあれば

このように書いてきた私も、落ち葉掃きは、少なからず負担だった。レレレのおじさんではないが竹箒をいつも持っていた気がする。掃いても掃いても落ちてくる。

これを解決したのが、エンジンブロアだ。風を起こし、落ち葉から、小さな塵まで吹き飛ばしてくれる。あっという間に葉は左右に分かれ小径が整う。これを使うようになって、秋は愉しく、落ち葉がうれしく、少し木の気持ちに寄り添えるようになったかもしれない。

雨上がりでもこのとおり
自然共生サイト管理人。樹木医。松戸市在住。羽黒派修験道 山伏先達。

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