7月のある朝、鷹の羽を見つけた。その数日前から、鷹らしきものが、天神山にやって来ていると聞いていた。2022年、2023年と見かけていなかったので3年ぶりだ。連日姿を見るようになったのは8月に入ってからだった。鳥の同定ができるわけでもないのに、以前は「オオタカが来た、オオタカが来た!」とはしゃいでいた。
昨年、自然共生サイト申請の書類で、写真とともに「オオタカが飛来します」と書いたところ、オオタカではなく、渡り鳥のタカ、サシバであることがわかった。上の写真もかなり大きい初列風切の羽根である。
ここ2年サシバが来なかったのはなぜだろう。毎木調査で取付けたアルミタグを警戒して来なかったのかもと、思っているが理由は不明。でも、戻ってきて嬉しい。鷹は特別である。
サシバは、春に日本にやってきて繁殖し、秋に南方へ渡っていくそうだ。天神山にいるサシバは、動きに幼さがあるので、今年生まれた若鳥であろう。この森にやってくる一番の理由は、7月半ばから、鳴きはじめたセミを中心とした昆虫の多さだろう。高い木と空間もあり、餌を採るのに困らない。
不思議なことに、鷹が幅を利かせているときは、カラスは静かである。カラスもれっきとした森に住む鳥類。営巣もしている。カラスが鷹の隣で、いたずらっぽくちょっかいを出しているのを見たことがあるが、概して棲み分けをしているような気がする。このところサシバが森を支配していたが、2日ほど前からカラスが戻ってきた。カラスはルルルル〜と、割と優しい鳴き方をしている。サシバは、別の餌場にしばらく行っているのかもしれない。
盛夏の森は、常に何かがおきている。