木の力を引き出し、虫を抑制する

この季節各地で剪定が盛んだ。このクヌギを見ても、つい剪定をしたくなってしまう。樹形は必ずしも美しいとはいえない。その気持ちを抑え、剪定を保留している。それはなぜか。
数年前まで、このクヌギは夏までに2、3度剪定をしていた。去年は試しに、剪定を最小限に抑えたところ、違いは、虫つきに現れた。薬を使わないので、アブラムシが結構な数で発生し、クロオオアリがアブラムシを守っていた。

樹木は虫の攻撃(食害)を受けないために、ファイトアレキシンという抵抗物質を放つ。しかし剪定をすると、修復にエネルギーが取られこの抵抗物質の放出量が減り、虫にとっての好適なエサ場となる。二年前の観察では、その後、小さなアリが現れ、アブラムシを攻撃し、黒ずんだ梢先は新たな展開を見せた。

かくして、今年は、出葉前に剪定し、クヌギのファイトアレキシンの力を保ち、バランスの取れた生態系を作ろう心がけた。よく葉を見れば、色々な虫の食痕があり、ゾウムシ、テントウムシ、クモなど色々な生き物がやってきて、クヌギを中心に生態系を作っているようだ。アブラムシに覆われる樹木が美しくないのは、多様性がないからだ。葉にいろいろな形の欠損があるのは、多様性のあらわれとみてよいのではないか。虫が多ければ、鳥もやってくるのだ。
