この日は、先輩樹木医のお誘いで成田へ。主目的は、土壌を植物で膨軟化する実験の経過調査だった。そちらはそちらで、興味深い内容でしたが、何より参考になったのは、3年前に剪定で荒れ、キノコが生え、ボロボロだったサクラが、丁寧な措置でしっかり樹勢回復していることだった。
コフキタケに相当やられていたらしい。手当の跡を見る限り、もう無理ですと言われてもおかしくない状況だったことが伺える。先輩によれば、多くを樹木医の人的ネットワークで得た情報から、現場に合ったやり方を選び、実践していったとの事。一つ一つの処置に多くの検討がなされていた。
上の写真の支柱は、実は枝の力を受けているのではなく、ブレースなどを使い、張り出した枝は基本的に自立させている。それでいて大風などの時に支柱が力を受け、枝折れを防ぐ。
樹勢回復は、フロート支柱の設置に限らず多くの工夫と試行錯誤で成り立っている。実りある1日だった。