椎の根

スダジイの根

うすうすと 朝日さし来る椎の根に 心寄せつつ冬はこもれり(北原白秋)

今年一番、いや、数年で一番の寒さがやってきた。それでも、冬至を過ぎた朝の光は希望に充ちている。北原白秋は、このシイの根に生命力を感じたに違いない。心は踊るが身体はお籠り状態、動きは鈍い。

天神山でもシイの存在感は大きい。よく葉は虫に食われる。 枝も折れる。一方、樹冠の葉は深緑と金色のコントラストが鮮やかでこの上なく美しい。多彩な世界かあることが、シイの魅力だ。そして、シイの根も我々の知らない宇宙を持っている、私はそう想像している。土を掘っていたら、シイの根がスギの根を圧迫しているのを見たことがある。針葉樹から広葉樹に遷移していく秘密には、地下の根の戦いがあるに違いない。
樹木医三十の会所属。管理人。松戸市在住。羽黒古修験道山伏先達。

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