猛暑の街と森

猛暑がつづく

まだ7月後半というのに、ここ天神山では夜は26℃を下らず、最高気温は、34℃台が続いている。そこで一番温度が高い午後2時に、市街地と森の環境の違いをサーモグラフィで確認した。

天神山は一歩出れば市街地である。何も遮るものがないアスファルトの放射熱は、平均61.5℃、画面で最高温度を示した側溝の蓋は、64.9℃を発している。

少し木陰があるアスファルト面(画面左下)は、平均46.7℃とちょっと樹木があるだけで15℃ほど下がっている。

森の中に入れば小道はセメントにもかかわらず、平均32℃まで下がっている。緩やかな風も吹いているので涼しく感じる。

森とコンクリートの相性

森はグリーン、コンクリートはグレーと対比されることが多く、コンクリートは森の敵のように思われているかもしれないがそうではない。以外と相性がいいのだ。

午後2時、南北に風が通るピロティにいる。床はコンクリート。サーモグラフィを見ると、床はおよそ30℃。森よりも2℃低い。街中60℃のアスファルトに面するピロティは、こんなことにはならないだろうが、森の中で十分に温度を調節した環境下でのコンクリートの半外空間は快適そのものだ。更に、

上の写真で、黒っぽくまだらになっているところは水で濡れているところ。あっという間に乾くが、28℃台まで温度が下がる。水が気化して熱を奪ってくれるのだ。

樹木はどんな状態か

毎日快晴で、梅雨明け1週間というのに土は乾燥へまっしぐらだ。日が照るからではない。樹木が思い切り水を吸い上げるからである。

大木の根元付近は、元気かいい木ほど温度が低い。おそらく、根から吸い上げた水の移動速度が速いのだろう。上の写真はクヌギの木。根元て26.3℃のところがある。幹を線上にたどったが平均28℃。「緑は、極端な気候を緩和する」と言われるが、まさにそうである。根は菌類と共生している訳だが、菌類を働かせる環境を作り出しているのはやはり植物だ。

キノコも温度を下げている

3年前に枯れた大木の根元にサルノコシカケの仲間のコフキタケが繁殖している。いずれも28℃くらいである。なんとも驚きである。死んだ木の根元は、温度を下げることができず、にもかかわらずそこで育つ菌類は自身の温度を下げている。また、不思議が一つ。わくわくする。

サルノコシカケ(コフキタケ)と昆虫(キマワリ)。

自然共生サイト管理人。樹木医。松戸市在住。羽黒派修験道 山伏先達。

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