針葉樹の落葉
11/23急にサワラの葉が落ち始めた。落葉は広葉樹だけの特権ではない。常緑の針葉樹にもやってくる。なかでもヒノキ科、サワラの葉は柔らかく優しい。途中の枝葉にあまり引っ掛からずサラサラと林床に届く。
続いてスギの葉も落ち始めた。こちらは、全く落ち方が違う。常緑のツバキ、サザンカ、モッコク、ヒサカキ、スダジイなどの照葉樹に絡んで、なかなか林床には落ちてこない。他の木が伸びてこないように邪魔をしているのかと思う。スギは葉だけ落ちるのではなく、湾曲した枝とともに落ちる。針葉というだけあって、葉は触ると痛いし、軍手だと絡みつく。そのままでは林床でも厄介だが、枝と葉の境を手折っておくと足元で枝が跳ね返ることもなく、水はけがよく菌糸も広がりやすいリターとなる。スギの葉は焚きつけに最適で、これがあるおかげで春まで困らない。
ウラジロモミはまた違った落葉をする。一見スギのような形をしているかのように見えるが、ひとつひとつの突起が1つの葉になっている。葉柄もある。茶色になった葉は、手で触るとパラパラと崩れ、分解される。これがとても気持ちいい。モミの落葉は、比較的陽の当たらない枝にある。一度触ればやみつきになるので機会があれば是非お試しを。
ハッサクも黄色に
針葉樹の落葉にあわせて黄色味を増したハッサク。デパートの飾り付けのように垂れ下がっている。昨年は、1個しか実らなかった。冬に向けて楽しい景色だ。
紅葉と黄葉
紅葉らしい色を帯びてきたのが、このドウダンツツジ。日照で葉はヨレヨレだったが、何とか色づいた。やはり日照がよいところでないと葉も赤くならない。陽が当たりすぎると葉の組織が壊れる。ほどほどがいいのだが、温暖化の昨今、高望みは控えよう。
こちらは、エノキ。ここの場所は毎年しっかり陽か当たっていたが、今年は手前のクヌギが大きく育ち半日陰となった。黄葉は、赤の紅葉と違って、樹木が冬に備えて葉から養分を回収し根に送っている状態。対して紅葉は、もっと光合成を続けるためアントシアニンという物質でクロロフィルを守っている状態だ。その後、エチレンという植物ホルモンを生成して離層を形成し葉を落とす。
秋は樹木に様々な変化が起こり飽きが来ない。えっ秋が来ない?