枯れ枝は取らなきゃいけないの?

ロープで登りながら考える

今回は、高所の生態系と枯れ枝剪定の話。森には沢山の枯れ枝があり、どう処理するかは思案のしどころ。

高所の枯れ枝は中間管理職

森には沢山の枯れ枝がある。写真上、横に張り出しているのは、手前がスダジイで奥がスギ。厳密に言えば、スダジイの方は、枯れかかっている枝だ。明るさを見て欲しい。時刻は夕刻で左から光が入っている。だが通常光は不足していて暗い。写真は登攀して、7mくらいの高さから撮っている。ここよりはるか下にも、ヤブツバキ、キンモクセイ、シキミなどが光を求めて待機している。

ID361 Y53 H=20

林冠もここより遥かに高いところにあり、先程の枝がある場所は高齢の中間管理職といったところか。上と下に挟まれ、勢いがない

地上8mの生態系

街路樹・公園樹などでは、落枝が下を通行する人を危険に晒すので、枯枝を除去するのは義務である。ところが、森は、少し事情が違う。ここも、貴重な生態系、多様性の源だ。枯枝の木部や樹皮は昆虫の餌である。虫が巣食えば、小鳥がそれを食べに来る。猛禽類は、小鳥を捕食する。地上8mの世界でも食物連鎖は活発だ。特にスダジイには虫や菌類が集まっているように思う。現にこの時、オオスズメバチの女王が、私を盛んにスキャンしていた(その間、私はフリーズ)。縄張りを主張しているのか?枝を落とされるのを心配しているのかもしれない。

今回剪定した枯枝

樹木は枝を落としたがっている

今回、ほぼ枯れ枝となっている横に張り出した枝を剪定した。このスダジイは樹高が20mあり、林冠で葉張り枝張りの熾烈な競争をしている。そのため持てる資源を有効に使うため、日当たりの悪い枝葉は、栄養供給としての機能は落ち、それと共に葉に勢いがなくなり、そして枯れていく。しかし、枝は枯れても朽ちなければ落下しない。朽ちるということは、菌類・蟲などの分解者が盛んにかつどしていることにほかならない。そして、スダジイの最大の魅力は、多様な生き物を惹き付けるところにあると思う。

剪定が必要な場所

そんな事情があり、枯枝でも森の中では残したいと思う。今回は、真下は、壊れそうなガレージの屋根の上。即断で枝下ろしをすることにした。枝元の直径8cm、長さ4.7m、重さは推定で7kgある。これが、高さ7-8mのところにある。まだ完全には枯れておらず、枝元から一気に折れる可能性も低いが、落ちてきたら大変である。

ちなみに林野庁のホームページには、幹材積計算プログラムというのがあり、材積を計算できる。それによれば、0.009㎥、9Lである。結局、森の中の枯れ枝は、樹種や置かれている環境、人の通行状況などを考えながら、随時判断し剪定を決めることが必要だと思う。

自然共生サイト管理人。樹木医。松戸市在住。羽黒派修験道 山伏先達。

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