葉面は温度を下げているか?

朝9時 日陰のツバキの表面

まだ6月というのに梅雨は明け、酷暑である。今日は37度まで気温が上がるという。現在は32度位か。今日のような日は、植物の活動に変化があらわれるので、観察には最適だ。何日も記録的な高温が続き、土が乾いてくると、葉の蒸散が止まる可能性がある。蒸散が昼間なくなることは、潤いの面でも、高温の緩和の面でも環境に大きな影響がある。

根の周りが一定以上乾燥すると、根は水を吸い上げられなくなる。樹体に水分を維持するため、気孔が閉じ、葉からの蒸散をしなくなる。蒸散がないと気温は上昇する。それだけではない。蒸散の気化熱によって冷やされていた葉面は温度が上昇、光合成の効率がグッと下がる。さらに、光によって葉の細胞内の葉緑体が破壊されることになる。

直射日光でこの温度のヤツデ

写真のヤツデは高温でやけ始めているように見える。想定外の高温は樹木や生態系に様々な影響を与える。

樹木医三十の会所属。管理人。松戸市在住。羽黒古修験道山伏先達。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です