スズメバチとの距離感

6月22日に夏至を迎えた。10日ほど前からスズメバチが活発に活動するようになった。4月からオオスズメバチの女王は単独であちこちで活動していたが、やや小さめのハチが体の近くをよく横切るようになった。上の写真は、ドローンで撮影した高所に咲くネムノキだが、この撮影にもスズメバチが1枚噛んでいる。ドローンを飛ばそうと起動をかけるとすぐにどこからか奴らがやってくる。去年は怖くて飛ばすのをやめたが、今年は観察しながらスズメバチの様子をうかがう。ドローンの羽音に反応してるのは間違いない。ただ、自分たちの敵かどうかを確認し、警戒に来たように見えた。それを操作している我々も警戒対象だ。

酸っぱい匂いの白い樹液

ちょうど同じころ、シラカシが白く酸っぱい樹液を出しはじめて、これにスズメバチが群がっている。樹液とスズメバチの活動はリンクしている。これから秋までずっとハチのシーズンだ。ハチの活動は森の外にも及んでいる。隣地のマンションから、ハチの巣を特定して欲しいと依頼が来た。

オオスズメバチは、地中に巣をつくる。隣地に近いところで土をいじり、環境改善を行えば、ここはヒトの活動領域であると知らせることができ、ハチは少し離れてくれるのではないか。そう思って危険を承知で作業に入った。

これから段切りをするところ

ここは落枝も多く、斜度もあり改善に向いている。まず、慎重に杭を打ちスズメバチの反応をみる。近くに巣があれば警戒にやってくるはずだ。スズメバチサラバという忌避剤を近くに置き襲来に備えつつ作業を更に進める。作業をするということは、ここにヒトがいるということを伝え、スズメバチに距離を取ってもらおうという意図だ。作業はゆっくり動くことが重要だ。遅い動きにはスズメバチは反応しにくい。

今日の作業はここまで

幸いこの辺りにスズメバチの巣は無いようだ。近くを通り抜けることはあったが、身の危険を感じることはなかった。歳もとったので、ゆっくりの作業は性にあっているのかもしれない。ただしかなかな捗らないのだが。スズメバチは、生態系の中で意味あるポジションを持っている。上手く付き合っていけば、共存できるはず。そう考えている。

近くにあった菌根菌の子実体
樹木医三十の会所属。管理人。松戸市在住。羽黒古修験道山伏先達。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です